タイの南部パンガー県のカオラックという町に
津波のボランティアに行ったときです。
夫と小学3年生の息子は道路の整備や子供の遊び場作りなどの力仕事。
そして、私と小学1年生の娘は「クラフトショップ」という
津波の被災者の方たちが作った民芸品を売る店のお手伝いに回されました。
そのお店に置いてあったのが「さをり織り」の小物達だったのです。
その店の「さをり織り」の小物たちはカラフルでとても素敵でした。
私は一目ですっかり「さをり織り」が好きになってしまったのです。
そして、店先に置かれたSAORIという文字がひときわ目立つ織り機を見て、
「SAORI」というのは日本語ではないのかとフランス人の店長に聞くと、
前にこの地方に日本人が来て「さをり織り」を教えたらしいとのこと。
カオラックは知る人ぞ知る静かなリゾート地で、
特にヨーロッパ方面からの観光客が多い美しい街でした。
津波が起きた2004年12月26日も既にクリスマス休暇でやってきた
多くの観光客でにぎわっていました。
この美しい海が多くの人々の命を一瞬に奪っていったのです。
私たちはそれから毎年長期休暇を利用してカオラックに行きました。
行くと必ず「クラフトショップ」にお邪魔して
大好きな「さをり織り」の小物たちを見せていただきました。
これが私と「さをり織り」との最初の出会い。
その時はまさか私が数年後にさをり織りの工房を開くなんて
だれが想像したでしょうか・・・・
人生は不思議なものです・・・